美しさの基準を語る上で、体毛処理という話題はデリケートなものです。友人には話しにくいと感じる人もいるでしょう。しかし、私たちのメンバーの出身国を比較してみると、意外にも体毛処理がそこまで大きな問題になっていない国もあるようです。それぞれの国で体毛がどのように考えられているのか、処理の方法や脱毛広告の違いから詳しく見ていきましょう!
ベトナムでは、無駄毛の処理が社会的なマナーとされていないため、多くの人は脱毛をしていません。電気分解やパルスライト、さらに高度なレーザー技術を利用した方法もありますが、国産の脱毛製品はなく、代わりに輸入製品を使用しています。また、「脱毛」という言葉を聞くと、アンダーヘアのことだと誤解する傾向もあります。「ムダ毛かどうかは自分で決める」という理想が若い世代で広がっていますが、まだ一般的なものではありません。
インドネシアでは、多くの女性が親や友達から「どうして毛を剃らないの?」と言われたことがあります。毛を剃るか剃らないかで、人からどう見られるかが変わってしまうのです。そのため、多くの若い女性たちは毛を剃っていないことを恥ずかしいと感じ、ワキや脚の毛を剃らなければならないと感じています。
シェーバーなどの除毛製品の広告では、毛を剃ることで自信が持てるようになり、前向きになれるというメッセージがうたわれています。さらに、ワックスで処理することも一般に広がっており、様々な都市でサロンがオープンしています。
多くの若い女性がムダ毛を恥ずかしいと感じているため、広告はその気持ちを克服する方法としての脱毛を強調します。しかしインドネシアでは、日本など他の国と比較して、体毛についての社会的プレッシャーがそこまで強くありません。そのため、体毛を剃るための商品は、どこのドラッグストアでも販売されているわけではなく、一部のブランドのみで展開されているのが現状です。
日本では、特に女性が無駄毛を剃る人が多く、ある種の社会的なマナーのようになっているとも言えるでしょう。脱毛広告は様々な場所で見つけることができますが、広告を出す場所によって商品のアピールの仕方やそのメッセージ性は大きく異なります。
例の1つとしてわかりやすいのは、YouTubeでよく見かける脱毛広告だと思います。漫画やアニメ調で描かれ物凄い速さで喋るアレです笑。YouTubeをよく見る方であれば一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。デート中に彼に毛を見られてしまい振られて脱毛を決意する、地味な女の子が脱毛によって垢抜けて男の子に告白される、などといったシチュエーションが多く見られ、「可愛い子はみんな脱毛している」「ムダ毛は恥ずかしい」といったセリフが印象的です。
これと対照的な例として、近年増えている、電車内やホーム、改札で見られる広告が挙げられます。これらの広告は、渋谷や新宿、原宿など、若い世代の人が使うエリアに多く見られ、そのほとんどは、レーザーを使う美容脱毛のものです。YouTubeとは異なり、広告では綺麗な言葉づかいが使われ、女性に力を与えるような表現が含まれていることが特徴ですね。「脱毛=美しさ、可愛さ」という基本的な部分はYouTube広告と同じですが、より清潔感を重視し直接的な表現を避ける傾向にあります。
美容脱毛は医療脱毛よりもより安価に脱毛できるため多くの人が利用しています。また、最近では男性向けの脱毛広告も増えており、特に男性は世代間で毛に対する意識が異なる傾向にあります。
いかがでしたか?今回はアジアの3ヵ国だけに注目しましたが、アジアという同じ地域の中でも体毛に対してのイメージや行動にここまでの違いが見られます。今までは思いつかなかった新しい考え方もあったのではないでしょうか。また、今回はより一般的な視点から国ごとの違いを取り上げましたが、体毛に対する考え方は世代によっても異なります。
このシリーズでは美しさの基準の一つとして取り上げましたが、国や地域、世代などが変わればそれは美しさの基準ではなくなるのかもしれませんね。
Q. あなたは自分の体毛を剃るかどうか、あなた自身で自由に選択できていると思いますか?
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